「木語り」 連載第11回

第三章:日本の森林事情

 世界の森林事情を探ってきました。続いて私達の国日本の森林事情について確認。誰もが知る通り、日本は山国。だから森林が非常に多い国です。でもそこには大きな可能性も問題も。だから私達はその実情をもっと知り、もっと責任ある対応を取る必要があります。

 なお、森・林と言う言葉ですが、ここからは公的資料を多用するため、日本の官公庁の規定に従います。具体的には<人工林=林、自然林=森>と定義されており、それに準じます。

8:森林が多いと言われる国々

 日本は間違いなく森林大国です。でも世界の国々と比較しどの程度の位置にあるのでしょうか? 色々な比較方法がありますが、ここでは国の広さ等は無視し、単純に森林比率の高い国順にベスト20を列記しておきます。

<全国土に対する森林比率の高い国ベスト20

1位・・・フィンランド    73.9%

2位・・・日本        68.2

3位・・・スウェーデン    66.9%

4位・・・韓国                63.5%

5位・・・ロシア       47.9%                                                                               

6位・・・オーストリア    46.7%

7位・・・ポルトガル     41.3%

8位・・・スロバキア     40.1%

9位・・・スペイン      35.9%

10位・・・チェコ             34.3%

11位・・・イタリア      33.9%

12位・・・メキシコ      33.7%

13位・・・カナダ       33.6%

14位・・・アメリカ      33.1%

15位・・・ドイツ             31.7%

16位・・・ニュージーランド   31.0%

17位・・・スイス             30.9%

18位・・・ノルウェー         30.7%

19位・・・ポーランド     30.0%

20位・・・ギリシャ      29.1%

 この数字を見てあなたはどのような印象を受けられたでしょうか・・・

 ひょっとすると、ロシア・カナダなどは意外と感じられたかも知れません。森林だらけ。そんな印象を持つ人が多いと思いますが、いずれも50%を割り込んでいるから。勿論国土が広いと言うのも一つの要因でしょうが、酷寒の寒帯エリアでは木が育たないからです。

 いずれにせよ国土の50%以上が木(樹木)で覆われている国は、世界中探してもたった4国しかないと言う事。加えて日本は1位のフィンランドに続き、2位であると言う事。この実情を見ても、私達はこの緑の国土を、もっともっと誇りに思うべきでは無いでしょうか。同時に、もっともっと責任を持って緑の保全に取り組むべきでは無いでしょうか。

「フィンランド」南東部・・・「フィンランド」は世界で一番森林比率の高い国。国土の70%以上が針葉樹林。