「木」語り 連載第4回

第一章:「木」ってなんだ?

3:「針葉樹」とは?

「木」は「針葉樹」≒「裸子植物」と「広葉樹」≒「被子植物」に大別されます。このコーナーではその中の「針葉樹」について検証します。

最初にこれまでの確認。「針葉樹」とはその名が示す通り、針のように細長い葉を持ち、「裸子植物」であり、2~1.5億年前に地上に表れた樹木群の総称と言う事になります。

また比較的広がりが少なく、「ソテツ」「イチョウ」のグループ(綱・目)、「マツ」のグループ(同)、「イチイ」のグループ(同)に大別されます(ただし、分類方法により多少異なる)。

ただ、「ソテツ」「イチョウ」のグループには「ソテツ」「イチョウ」、「イチイ」のグループは「イチイ」しかなく、他の「針葉樹」の殆どが「マツ」のグループと言う事になります。要するに私達が目にする「針葉樹」は、「ソテツ」「イチョウ(この分類法ではイチョウも針葉樹扱い)」を除き、全て「マツ」の仲間と言う事になります。

さらに、「針葉樹」の主力となる「マツ」のグループ(マツ綱・マツ目)は「マキ科」「マツ科」「ヒノキ科」「スギ科」「ナンヨウスギ科」の6科に分けられます。

さらに、「針葉樹」は約50属・500種があり、このように列記すると結構種類が多いように感じます。けれども、実は一般的に樹木扱いされる樹種は8,000種を超えており、「針葉樹」はその6%程度に過ぎない事が分かります。

また、近年では「スギ科」を廃して「ヒノキ科」に含める、「ヒノキ科」の中に「スギ亜科」を設けるなどの考え方もあります。

しかし、以上の「針葉樹」分類に関してはあくまでも現在を対象としたもので、歴史と言う時間軸が無視されています。従って、化石などの状況を加味すると矛盾が出てきます。前記の通り「針葉樹」は2~1.5億年前に登場しますが、そのほとんどが「セコイア」の仲間で、「マツ綱・目」の植物は未だ存在していなかったからです。

となれば、「セコイア綱・目」が最初にあり、そこから「セコイア科」「マキ科」「マツ科」「ヒノキ科」「スギ科」「ナンヨウスギ科」などの樹木が、5,000万年程前から分化して行ったと考えるべきでしょう。

ちなみに、「セコイア」の直系とされる「針葉樹」は、気候変動・人類による伐採等により、「セコイア・センペルビレンズ(通称:レッドウッド)」1種のみが米国の西海岸の一部に自生するだけとなっています。

他にも「セコイア」の名が付く樹木には、同じく米国の「ヨセミテ国立公園」等に自生する「セコイア・デンドロン(通称:ジャイアント・セコイア)」、中国の一部地区に自生する「メタセコイア」などがありますが、なぜか傍系扱いとなっています。

ちなみに、現在の植物分類で「セコイア・センペルビレンズ」の位置づけは<ヒノキ科セコイア属「セコイア・センペルビレンズ」となっています。

補足するなら、日本の「スギ」を含めた「スギ科」の樹木は、日本・メキシコ近辺・中国の一部に散見されるだけ。そしていずれも「セコイア」にかなり近い性質を持っており、傍系ではあるが、「セコイア・デンドロン」「メタセコイア」などと共にかなり近い植物だと推定されます。従って、かつて世界中に分布していた「セコイア」の仲間が絶滅の危機に追い込まれ、そのわずかな生き残りが「スギ科」の植物として、散見されるようになった。そう考えるのが順当では無いでしょうか?

いずれにせよ、「セコイア」と「スギ科」の樹木については、後項で詳述する事にします。

その他の特色としては、比較的寒い地域(寒帯・亜寒帯)に大半が分布・「常緑樹」も「落葉樹樹」もあるが、圧倒的に「常緑樹」が多いと言った事を上げることが出来ます。

「トウヒ」(針葉樹)の葉
「トウヒ」(針葉樹)の葉